オーロラになれなかった人のために

 ここに書きたいことがほとんどなくなった。もともと手帳の隅にちまちまと書いていた日記のほかに、何かどうしても残しておきたくて18歳のときに始めてみたブログだった。24歳になっていた。岩手に住み始めて7回目の春だ。

 

 もともと、大人になるのが怖い気持ちをつらつら呟いていた。友達は、それを歌にしたらいいんだよと言ってくれたけれど、なんだかできなくてそれはしなかった。昔から頭でっかちだった。まわりの人たちが眩しくていいな〜と思ったこともここに書いた。その友達のことが好きだな〜ということもここに書いた。

 

 昔された苦しくて許せなかったことを、許したわけではないけれど、もう別にいいよと思えるようになった。十数年経って、相手がわたしにしたことを忘れて幸せそうになった頃に全部ぶち壊してやろうなどと思ったこともあったけれど、それのために生きるには途方もなくくだらなかった。もうよかった。負の気持ちは強いから、おばあちゃんになったわたしに呪いをかけると思った。いやだったから、ここで呪いをとくことにした。

 

 大切な人やものが離れてしまったらどうしよう、いつか必ず離れるだろうな、どうしようという気持ちも書いた。やっぱり会えなくなる人もいた。

 

 4月に入って、大好きでとても大切なおばあちゃんが亡くなった。すっかり痩せてしまっていた。秋田に帰るたびに、もう会えなくなるかもと思っていた。わたしに幸せな子ども時代をくれた人だった。もっと一緒にいたかった。

 

 2年前大学を卒業して、仕事を始めた。ずっとやってみたかった小学校の先生になれた。4年生、2年生、1年生、どの子達もかわいい。授業は下手くそで全然うまくいかない。1年目の秋、ごはんが作れなくなって、うまく眠れなくなって、部屋が片付けられなくなって、朝職員室についたら涙が出て、もう無理だと思うときもあったけど、大好きな友達が連れ出してくれたりお母さんが秋田から夜学校まで迎えに来たり、子どもがかわいかったり、まわりが助けてくれた。やっぱりまだ続けたい。

 

 まわりにいてくれる人がもっと大切になっていた。大切にしたい人がどんどん増えていく。その人たちともまたいつか離れるかもしれないなどと思っちゃうな。その考え方がさみしい。そばにいてくださいませ〜。

 

 同じことをぐるぐる思い続けているつもりでも、少しずつ変わっていくんだなと思った6年間だった。今までここに書いた6年間は大事だった、たまに覗きにきたりしながら、またぐるぐると生きていくぞ。