鏡をみつめる

 なんだか、もっと素敵な人になれると思った。年に一度くらいはいつもそう思うんだ。もっと前に。もっと後ろに。もっと高く。もっと這いつくばって。そんで、もっともっと素敵な人になる。

 

 大丈夫、大丈夫、いいのいいのってよく言う。子どもは、わたしがよく言う言葉を真似するようになった。

 鏡なんだ。半年経って初めて気付いた時にドキッとした。正直ここまでと思っていなかった。子どもたちをみつめる時、わたしの中まで、奥まで見られているような気持ちになる。こんにちは、ありがとう、ごめんね、大丈夫だよ。あなたが大切だよ、大好きだよって、たくさん伝えなければ。まっすぐ、見つめなければ。

 

 自暴自棄も怒りも悪いことだと全然思わない。白鳥の声に嬉しくなっても泣きたくなる日は決して減らない。でももっと素敵になるんだ。めげてる暇はないんだよ。もっともっと素敵に。明るく、朗らかに、穏やかに、強く、そして大切な人と一緒がいい。