Stockholm

 12月24日、志村正彦の11回目の命日。今夜は彼のことを祈る。彼の魂はみたいな話とか、そういう祈りはしない。少しの思い出補正とか、フィクションとか、そういうので明るくなれることもあるけれど、なんとなくしたくなくなった。でも、いろいろな祈り方があるだろう。どれもね、なんでもね、いいと思った。

 彼の今いる別の世界みたいなもんは存在しなくて、ただ彼のいない世界がここに存在していて、それがすごく悲しい。すごくすごく悲しい。彼の好きだったコーラを買って飲むも祈りかもしれない、バウムクーヘンを全部もしゃもしゃ食べたりとか、そんなのは馬鹿らしいかもしれないと思うことも、なんなら祈りかもしれない。そんな風に彼の不在を悲しむ人たちの声を聞いたり、彼の音楽を真正面から聴いてみたり、わたしは今日はそれがいいな。

 誰かを好きになったり愛や祈りを捧げたり、素敵だけど、生きているうちにしかそれを伝えることはできないんだなあと毎年この日に思う。本当は冬のストックホルムのようにしんしんと雪の降る夜にCHRONICLEを聴きたかったけど、示し合わせたようなドラマチックはいらない!

 とにかく彼や彼の音楽やそれが好きなことを忘れたくない。メリークリスマス志村くん!