最近の話

 大学生のときよく聴いてたきのこ帝国が活動休止した、かなしいというより、なんだか、そうか、と思ってフタをしちゃった。19歳の春のこと、20歳の春のこと思い出す、わたしはあの時いつか必ず、必ずと思い続けていた、腹の中が煮えてた、本当はもうよかったことまでずっとまだ煮えてた、あの時わたしはちょっと苦しかった。いつも朝焼け見ながらひとりで近所の池のまわり歩いてた。

 でもそれと一緒に、大好きな人たち、大好きなバンドの写真を河原で撮ってたこと、みんなタンポポの綿毛飛ばして笑顔だったこと、うれしかったけどあの人たちはすごく特別だ〜何にも変えられない、こうして関われることがうれしいけれどすごくせつないと思って少し泣きたくなったこと、帰り道タンポポ踏んで帰ったこと、雨の中傘さして友達のバイト終わるの迎えに行ったこと、よくわかんない人たちと馬鹿みたいな悪巧みをファミレスでしたこと、結局その悪巧みは叶わなかったんだけど、そういうの全部なだれ込んできて、わたしはずっとずっと幸せなのだ。今だってずっと幸せなのだ。

 

 わたしはずっと、誰かのために何かに怒ってる時ならやさしくなれるかもって思っていた。誰かのことを思って身体が震えるくらい怒ったことだってあった。

 わたしはすぐに怒る。本当はすぐに怒る自分のことが好きじゃない、わたしが怒ったときに事態は好転したことがない、たぶん怒るのが下手なんだ。でも怒ったときはそんなの関係ない、全部切り刻んでやる!って思う。君はすぐ怒るよねって友達にも言われた、でもその友達はわたしが怒る人でよかったって言ってくれた。よかったのかな。

 

 最近は忙しくて怒ってる暇なんかなくなった。いいのかな。わるくはないと思うけど。

 

 

 

 最近のいいことその1。この町も少し好きになってきた。行きつけの喫茶店ができた。何も予定がない週末はひとりでぼんやりコーヒー飲みながら本読む、コーヒーを頼むと必ずチョコレートがついてくるの、おいしい。

 最近のいいことその2。また少し寒くなってしまったけど、夜風が気持ちいい日が増えた。ぬるくて涼しい風の中を半袖で歩く夜は水槽の中にいるみたい。わたしは金魚だ。

 最近のいいことその3。お腹がいっぱいになるまでカレーとすごく大きいナンを食べた。すごく大きいナンはすごく大きい。

 

 

 眠い日々が続いています。よく眠って長い長い昼間を生きるのだ、わたしたちすべてのものの命みなぎる初夏なのだ。おやすみなさい。