夏至の日

 
 
お祭りの前の雰囲気が好きです。
 
地元のお祭りがいつも7月のはじめにあって、それに合わせて町がだんだんざわざわしてくるのです。ざわざわぞわぞわ。
血というんだろうか、町の血みたいなやつ、雄々しい感じの。
 
 
 
そのざわざわぞわぞわしたものが夏至頃からだんだん高まってきて、縁側に寝転がりながら遠くから聞こえるお囃子に日々わくわくしたりなんかして。
 
 
 
でもわたしたちは女の子だったので、それは胸に置いといて、涼しげな浴衣で宵宮の前の夕方の町を歩くのです。男の子いいなーなんて、神楽かつぎたかったなーとか思いながら。
 
 
 
お祭りの宵宮の夕方が、あの町でいちばん異世界に紛れ込みそうな時だった。
お祭りの通りからふいに曲がった角の先が、全然違う世界な気がしてた。お姉ちゃんの手を離すとどこかへ行ってしまって戻れなくなりそうな感じが好きでした。
 
小さい頃の話だけども。
今年も行けないかなあ、旧藩祭。
 
 
 
 
 
 
初夏ってなんて素敵なんだろう。
1年でいちばん夏至の日が好き。
ホタルが飛ぶ夜の川とか。
 
 
永遠に初夏だったらいいのに。
永遠じゃないからこその夏至なのだ、と、ポエムみたいなことを呟いてエモーショナルにかき消されたいと思います。
 
 
 
10代最後の夏至の日です。
世界一長い夏至の日だ。
日が暮れるまで、飽きるまで歩き回ろう。